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初年度の事前確定届出給与で300万円が損金不算入。私の失敗

PONS

管理人のPONSです

ひとり法人の「仕組み化」と「効率化」を追求して初年度880万を達成。 紹介するサービスは全て実体験したうえで紹介しています。 無駄のない法人運営のコツを発信します。

結論:初年度は「設立から2ヶ月以内」が事実上の絶対期限

結論を先に書きます。私は初年度の事前確定届出給与で、期末に予定していた300万円の役員賞与を全額「損金不算入」にしました。実効税率で換算すると、約69万円分の節税効果が一瞬で消えた計算です。

原因はひとつ。「事前確定届出給与は株主総会の決議から1ヶ月以内、または会計期間開始から4ヶ月以内」という通常年度のルールだけを信じていたこと。実は初年度(新設法人)には別の特例があり、「設立の日から2ヶ月以内」という期限のほうが先に到来します。これに引っかかると、後からどう頑張っても損金算入できません。

これから法人を作る人、初年度をすでに走っている人は、この記事を読んで同じミスを避けてください。


何が起きたか:300万円の賞与計画が損金にならなかった話

私は合同会社の初年度、月額の役員報酬を5万円ほどに抑え(参考:ひとり法人の役員報酬は月5万円が正解)、期末に賞与として300万円をまとめて取る設計にしていました。手取りを最大化しつつ、社会保険料を最小化する定石どおりの設計です。

賞与を会社の損金として落とすには、税務署に「事前確定届出給与に関する届出書」を出す必要があります。私はこの届出を、期末近くに株主総会を開いて、決議から1ヶ月以内に出せば間に合うと信じ込んでいました。

私が信じていたルール(通常年度の期限)

事前確定届出給与の届出期限は、通常年度ではこう書かれています。

「総会から1ヶ月」「期首から4ヶ月」。どちらも初年度なら余裕がありそうに見えます。私はYouTubeと生成AIで何度も確認しましたが、どこにも「初年度は別ルール」とは書かれていませんでした。少なくとも、私の目には入りませんでした。


初年度だけの特例:設立から2ヶ月以内が優先される

ところが、新設法人にはもう一つの期限があります。法人税法施行令第69条第3項に基づく特例です。

区分 届出期限(いずれか早い日)
通常年度 株主総会決議から1ヶ月/会計期間開始から4ヶ月
初年度(新設法人) 設立の日から2ヶ月 ← 多くの場合これが最速

つまり、初年度に賞与の届出を出すなら、設立日から数えて2ヶ月以内に提出しないと、その後に総会を開いて1ヶ月以内に出しても、もう間に合いません。これが初年度の罠です。

私の場合、設立から2ヶ月の期限を意識せず、期末が近づいてから慌てて届出を出したため、完全に期限切れ。賞与300万円は支払い自体を実行したものの、損金不算入が確定しました。


気づいた瞬間と、消えた節税効果

誤りに気づいたのは、決算処理を進めていた頃のことです。顧問契約していた税理士から、何気なくこう聞かれました。

「事前確定届出給与の届出、いつ出しました?」

提出日を伝えると、税理士の表情が一瞬曇り、「初年度は設立から2ヶ月が期限なんですよ」と告げられました。その場で施行令の条文を見せられ、私はようやく「YouTubeで聞いていたのは全部、通常年度の話だった」と理解しました。決算前のタイミングで、すでに後戻りはできません。

損失額のシミュレーション

損金不算入になった300万円が、もし損金算入できていたら――。

項目 概算
損金不算入額 300万円
中小法人の実効税率(おおよそ) 約23%
消えた節税効果 約69万円

賞与自体は社長個人の口座に入っているので、まったくの無駄ではありません。しかし、本来「会社の損金として法人税を圧縮しつつ、個人で受け取る」という二段構えの節税のうち、法人側の効果を完全に取り逃した格好です。約69万円を捨てたと言って差し支えありません。


なぜYouTubeやAIで「いい話」しか聞こえなかったか

後から振り返ると、私が見ていた情報源には共通の偏りがありました。

つまり、無料で・誰でもアクセスできる情報は、再生数や閲覧数を稼ぎやすい「主流ケース」に偏ります。初年度の罠のような周辺ケースは、自分で施行令に当たるか、専門家に聞かない限り、永遠に視界に入ってきません。私はこの偏りに気づくのに、69万円かかりました。


これから初年度を迎える人への4つの教訓

1. 甘い話には裏がある、と疑う

「役員報酬を低く抑えて、期末賞与でドカっと取れば社保が安い!」――この設計自体は正しいです。しかし、初年度はこれを成立させるために「設立から2ヶ月以内に届出」という超タイトな前提条件があります。スキームだけを真似して前提条件を見落とすと、私のように300万円分の節税効果を吹き飛ばします。

2. 細部まで一次資料で確認する

事前確定届出給与の期限なら、法人税法施行令第69条を直接読むのが最終確認です。条文は短く、新設法人の特例(第3項)も明記されています。YouTubeやAIの説明を信じる前に、5分でいいから条文に当たる癖をつけるべきでした。

3. 設立日が決まったらすぐカレンダー予約

設立日が決まったら、その場でカレンダーに「設立日+2ヶ月 = 事前確定届出給与の届出期限」を登録する。これだけで防げます。賞与を出す予定があるかどうかに関わらず、初年度はとりあえずリマインダーを入れておくのが安全策です。

4. 早期に税理士を頼る

結局のところ、私の損失は「税理士をつけたタイミングが決算期だった」ことに起因します。設立直後に顧問契約していれば、設立2ヶ月以内の段階で確実に届出を出すよう促されていたはずです。初年度こそ、迷わず税理士をつける。顧問料の数倍を税金で取り戻せる場面が、初年度に集中しています。


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※本記事は私の実体験と理解の範囲でまとめたものです。具体的な税務判断は必ず顧問税理士にご確認ください。


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